昭和・平成・令和 徒然なるままに

徒然なるままに様々なことを思いつきで語りたいと思います。特にプロ野球の現在過去未来、ジャイアンツの戦略イメージについて語ったり、プロ野球選手や皆様の生活にちょっとしたよい変化を与えられるよう情報を提供し活動していきたいと思います。ふと心に浮かんだ取るに足らない話題ばかりで大変恐縮ですがお付き合いのほどお願いいたします。。

努力と工夫、補強と補弱

 現在はストーブリーグで新外国人獲得、フリーエージェント、トライアウトなど各球団来シーズンの補強に余念がありません。しかし、その中で本当の補強と言えるものはどのくらいあるかというと、各球団のファンが嘆いているように、多くはないと思います。

 どのような方がどのような判断で獲得しているのか、その詳細を私はぜひ知りたいなといつも思います。江本孟紀さんの「野球バカは死なず」によれば、野村再生工場で有名な野村克也監督は選手にペーパーテストを受けさせることがあったそうで、評価基準は正解かどうかは二の次で「少々間違っていても、一生懸命考えてたくさん書いてくるほうが好きや」とおっしゃっており、江本さんは「要するに物事に向き合う姿勢を、テストされていたことになる」と述べていらっしゃいます。中野信子さんの「空気を読む脳」ではそのことを取り上げ、「その知識量や頭の良さを褒めるのではなく、努力と工夫とを褒め、再生工場と呼ばれた野村の才能の伸ばし方は科学に基づいていた」と書かれています。

 実は私も大学時代にこのような経験はあり、同じ科目で同じ教授のペーパーテストで、ある時全く想定していない設問だったので、自分でとっさに考えられることを思いつく限りオリジナリティあふれる長い解答を書いたときは「優」で、別の時には想定されていたものなので、模範解答が頭に浮かび、つまらないが正解だろうなと思うことを適当に書いたら「可」となってしまった経験があります。まあ同じ人間でもこのようにそのときそのときで違うので、ペーパーテストで野村監督もだんだん”伸びている”か”進歩がない”というところまで見ていたのかもしれません。

 巨人のドラフト一位獲得のスカウトのコメントを見ると、以前から力が証明されている選手より、最近伸びが目立つ選手を指名しているといったコメントが多いようです。おそらく他の各球団も同様なところは多いのかなと思います。しかし、やはり私はアマチュアとプロでは大きな違いがあるので、天性の素質に加えて、この「努力と工夫」をやはり最も見てほしいなと思います。今回の日本シリーズでも、評論家が、巨人の選手は指示待ちで、考えられる選手がいないといった記事を読んだ覚えがありますし、下記の記事で「ソフトバンクの印象は、選手個々が何をすべきか分かっていることだった。」と巨人からロッテに移籍した沢村投手がコメントされています。この記事を読むと、パリーグで活躍した沢村拓一投手は一皮むけた印象でトレードが本人にとってとてもよかったんだなと再認識できました。

ソフト選手は何をすべきか分かっている/沢村観戦記 - プロ野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

 さて、巨人は特にフリーエージェント(トレードも例は多いと思います。)で成功と失敗どちらが多いかと言えば、トータルで失敗が多い印象で、磨けば光る素材を放出してきた負の歴史がある印象です。実績のある選手を取ってきて活躍するより、磨けば光る素材を育てて活躍させたほうがずっと球団の印象がよくなります。ただし、常勝軍団を作らないとそれも一概には言えないとは思いますが.....

 フリーエージェントで選手を獲得する場合には、最低条件として人的補償で取られてはいけない選手を綿密に判定し、その選手はリストから外せると判断したうえでやってほしいと思います。完全にプロテクトされるだろうレギュラーの選手以外でもファンが取られてダメージが深いと感じる選手(特に若手)はいるものです。「努力と工夫」をもつ選手をFAで取り、「努力と工夫」のない選手を人的補償でとってもらえるようなリストを作る、これこそ編成のお仕事でしょう。今年は取られてほしくないリハビリ中の選手をたくさん育成にしていますので、比較的その作業も楽だと思いますが、未来にわたって補強が補弱にならないようぜひ編成の方々は「努力と工夫」にいそしんでいただきたいと思います。