昭和・平成・令和 徒然なるままに

徒然なるままに様々なことを思いつきで語りたいと思います。特にプロ野球の現在過去未来、ジャイアンツの戦略イメージについて語ったり、プロ野球選手や皆様の生活にちょっとしたよい変化を与えられるよう情報を提供し活動していきたいと思います。ふと心に浮かんだ取るに足らない話題ばかりで大変恐縮ですがお付き合いのほどお願いいたします。。

プロ野球とインシデント・アクシデント

 以前「検診の効用とプロ野球」と題したときに、ロッテの順天堂大学病院との医療面、栄養面、コンディショニング面での提携が発表されたことも言及しました。ジャイアンツはそれとは関係ありませんが、ドラ1の堀田選手の肘手術はあったものの、その後故障者も順調に回復し陣容がそろっての開幕となるかと思っていました。ところがここにきてまた中心選手の丸外野手(開幕には間に合うようですが)や今年最も期待されているひとりといってもよい山下航外野手の重大なケガ(アクシデント)が判明して、開幕日が決まろうかというときにがっかりしてしまった巨人ファンの方も多いのではないかと思います。

 さてこれらのことが病院で起これば、医療従事者はインシデントアクシデントレポートを書かねばなりません。厚生労働省はインシデントについて、日常診療の場で、誤った医療行為などが患者に実施される前に発見されたもの、あるいは誤った医療行為などが実施されたが、結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったもので、ヒヤリハットと同義と定義しています。アクシデントとは、防止可能なものか、過失によるものかにかかわらず、不適切な医療行為(必要な医療行為がなされなかった場合を含む。)が、結果として患者へ意図しない傷害を生じ、その経過が一定程度以上の影響を与えた事象をいいます。インシデントレポートは重大な医療事故を未然に防止するために作成し、アクシデントレポートは起きてしまった医療事故の再発を防止するために作成します。1件の重大な事故の背後には、重大な事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故には至らなかったが300件の異常、いわゆるインシデントが隠れているというハインリッヒの法則があります。そのため起きてしまう可能性があるたくさんの医療事故を防ぐ目的で、インシデント・アクシデントレポートが作成された後、病院内の安全管理委員会等による調査・分析・報告・周知を行い、委員会の組織を中心として具体的な再発・防止策をしっかり検討・策定していきます。

 プロ野球球団も大学病院と提携する時代であり、重大なアクシデントが起きることによって選手の健康が害され、活躍の機会や選手生命が失われるだけでなく、ペナントレースの成績や人気、ひいては球団や選手の収入などにも関わるわけですから、ぜひ安全管理委員会のような安全面を積極的に考えていく組織の構築が必要ですね。ちなみに阪神などは今回コロナウイルスに罹患した選手たちもいらっしゃったわけですから、やはり病院にあるような感染対策委員会というような組織もその中に組み込んでいくべきでしょう。選手がケガや病気で活躍できないということが今後さらに少なくなるよう是非プロ野球、ひいてはスポーツ界を支える方々が中心になって、より真剣に考えていただきたいと思います。私が知らないだけで、ロッテなどはかなり進んだシステムを持っているのかもしれませんし、おそらく大リーグなどはしっかりとしたシステムを持っているのだと思います。ケガは不可抗力、あるいは自己責任・自己管理の甘さなどというだけで片付けられる時代は去り、中心選手のケガが多かったので優勝できなかったなどのコメントも少なくなり、活躍すべき選手が、ケガや病気が減って安心して活躍できるような時代になるよう切に願います。